『転職2.0』読んだ感想

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今回のレビューは『転職2.0』という本です。

本書のざっくりとした要約と私個人の感想を述べていきます。

本書の背景・筆者

本書を書かれたのは”村上臣さん”という方で、
この方はLinkdInの日本代表を務めている方です。

LinkdInとは、米国の人材系ビジネスの最前線の会社です。
筆者はエンジニアとして経験を積み、Yahooでモバイル開発事業に携わったり、事業再編・買収を手掛けたりと貴重な経験をしたのち、現在の外資系の人材会社の代表をなさっている異色の経歴の持ち主です。

自身の転職経験や、LinkdInで人材系の仕事をしてきた経験をもとに、転職やキャリアアップの考え方を広めるべく本書を執筆されました。

本書の概要

本書は構成はざっくりと

  • タグ付け
  • 発信
  • ポジション思考
  • シナジーで選ぶ
  • ゆるいネットワーク

という内容に分かれています。
実際にはもっと具体的に説明してある項目もあるのですが、ここでは代表的な項目のみ
にしぼって取り上げさせていただきます。

それぞれを簡単に説明します。

タグ付け

この”タグ付け”という方法論が、本書がもっとも伝えたいメインテーマであり、

他の本と違う独自の部分だと思います。

わかりやすく言うと、

自分にタグを付けて、このタグを軸にして転職やキャリアを考えましょう。

ということです。

まだわかりづらいですね。
インスタのタグ付けをイメージすればわかりやすいと思います。
あれと同じ感覚で、自分の仕事という視点におけるタグを考えましょうということです。

具体例で言うと

法人営業×銀行業務×中小企業相手×金融業界×1年でチームの売上3倍を達成×海外経験×顧客のニーズをくみ取る

みたいな感じです。

このタグを付けるという発想が本書の肝です。

・今自分にはどんなタグがつけられるのか?

・他にどんなタグをつければ市場価値が上がりそうか?

・そのタグを付けるためにはどんなスキルや経験が必要そうか?

・それは今の会社で身に付きそうか?それとも転職しないと無理か?

といったようにタグを軸にキャリアを考えることができます。
これ非常にわかりやすい考え方ですよね。
インスタ等で目にするタグという方法を使うことで、
今まで認識しづらかった自分というものが一目瞭然になります。

そしてこのタグを構成する要素が、

  1. ポジション
  2. スキル
  3. 業界
  4. 経験
  5. コンピテンシー

の5つです。

この中でイメージしにくいものとしては、

「ポジション」と「コンピテンシー」ですよね。

ポジション=役割と捉えてよいです。役職ではないです。
しいて言えば、求人票や職務記述書(ジョブディスクリプション)に記載されている職務内容がポジションの1つです。

ポジションはマネージャー系と専門系に分けることができ、
専門系なら法人営業など、マネージャー系ならプロジェクトリーダーとかプロダクトマネージャーなどさまざまです。

コンピテンシーとは、ハイパフォーマーに共通してみられる行動特性のことです。
コミュニケーション能力、誠実性、主体性、チームワークなどが当たります。

これら5つを組み合わせ、
戦略的にタグをかけ合わせていくことが転職2.0の大きな考え方となっています。

発信

これは、基本的にSNSでの発信のことを言っています。

本書ではSNSの運用の重要性も指摘しています。
というのも今の転職はSNSきっかけで転職の話が舞い込んできたりするパターンもあり、

また採用担当者は面接者のSNSを検索することは当たり前になっている

という背景があるからです。

このような背景を認識した上で、

SNSをうまく利用することでより有効に転職やキャリア形成を行うことができる

と述べてあります。

具体的には、さきほどの

自分につけたタグに関連した発信をする

ということです。

そうすることで、自分という人間を理解してもらえ、仕事の話も
舞い込んできやすくなるし、
採用担当者も「この人はうちの会社に合わないな」

などの判断材料に利用でき、会社にとっても個人にとってもミスマッチを防ぐ効果があります。

また、発信していく過程で、より自分についての理解が深まったり、

自分のタグの正確性が増すことになり一石二鳥となります。

自分への「タグ付け」と「発信」

みなさんも試してみてはどうでしょうか?

ゆるいネットワーク

また、本書では「ゆるいネットワーク」の重要性も説いています。

これも基本的には、SNSなどでのつながりと思ってもらえればよいです。

厳密には実際の人間関係のことも刺していますが、ここでは簡略化のためSNS上でのゆるいつながりと一括りにします。

さきほどの「発信」の部分の説明と重複しますが、

SNS上で発信を続け一定数のつながりができれば、

そこからキャリアや転職につながる情報(一次情報)を得ることができ、

有利に転職を展開できるということです。

感想

かなりざっくりとした要約になってしまいましたが、
ここからは本書を読了した私個人の感想を述べていきたいと思います。

まず、本書を書いた目的は、
実際にはLinkdInという会社の認知を広げる意味も多少なりともある
とは思いました。著者がLinkdInの日本法人代表ということで、その力学は少なからず働くことは当たり前だと思いますし、そのことを理解した上で本書を読み進めていただきたいと思います。

ただ、だからと言って書いてある内容が信用できないかと言われればそんなことはありません。
専門分野の方が書かれているだけあって情報の鮮度やトレンド等はしっかり押さえられていると思いますし、個人的に参考にしようと思えた箇所は多々ありました。

また、本書は「タグ付け」と「発信」がメインで主張したい内容ですが、その他の詳細な内容は『転職の思考法』の主張と似ていると感じました。

例えば
・市場価値を日々意識する重要性
・情報収集においては一次情報を取得することの重要性
・会社と個人が対等な立場になっていくことでみなが自分らしいキャリアを選ぶことができる、ひいてはそれが日本全体の生産性向上につながる

といった主張まで似ていました。
それほどこれらの要素が転職において重要だということでしょう。

また私個人的に参考になったポイントは、

業界動向を調査するときに
その業界トップ企業の”有価証券報告書”のサマリー部分を読む

という点です。

これを読むだけでも、その業界の現在の状況や先行きが記載してあったり、
どういった利益構造をしているか等まで記載してあるので参考になるそうです。
この点は実際の業界動向を探るときに参考にしようと思ったポイントでした。

またこれはどの本にも言えることですが、
読む人のタイミングや自分のキャリアに対する真剣度合い、
置かれている立場等で響く箇所は変わると思います。

今回は私がこの本にとってポイントとなるであろう箇所を紹介しましたが、
本書は今から転職を考える人はもちろんのこと、
いますぐには考えていないという人にも「タグ付け」など
知っておいて損にはならない内容もあると思います。

気になった方はぜひ本書を読んで見て下さい!

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